
インターネット上に公開されているWordPressサイトの修正、リニューアルなどをする際にそのまま本番環境を変更してしまうと思わぬエラーでサイトが閲覧できない状態になってしまうことがあります。
そんな状況を避けるために、まずはローカル環境で作成・変更してから本番環境へ適用させる方法があります。
自分のPCのみでサイトを見ることができるのがローカル環境です。作ったサイトが問題ないか確認してから本番環境にアップロードすることで公開されているサイトでのエラーを極力減らすことができるので安心です。
そこで今回は「LOCAL」というWordPressのローカル環境構築ツールを使った、公開サイトをローカル環境へコピーする方法をお伝えしていきます。
LOCALの使い方はこちら。
簡単便利!WordPressのローカル環境構築ツール Local の使い方
All in One Wp Migration でサイトをコピー
サイトをコピーするために「All in One Wp Migration」というプラグインを使っていきます。
動作確認環境
- WordPressバージョン : 6.3
- プラグインバージョン : 7.78
- 動作確認日 : 2023/08/30
インストール&有効化
まずはプラグイン追加画面から「All in One Wp Migration」検索しインストールし、有効化します。

【プラグインページ】
All-in-One Wp Migration – WordPress プラグイン | WordPress.org 日本
有効化すると管理メニューに「All-in-One Wp Migration」という項目が追加されるのでこちらをクリックします。

サイトのURLを置換する
サイトのコピーを作る際にドメイン名が必要なので、先にLocalで新しいサイトを作成し、こちらにもAll in One Wp Migrationをインストールしておきます。
公開されているサイトのドメイン名をそのまま使用するとおかしなことになってしまうので、データベースにあるドメイン名の部分を移行するドメイン名に変更する必要があります。
設定画面にある「検索 <文字列> 置換 <別の文字列> データベース内」で置換する文字列を指定します。
【検索】の入力欄に公開されているサイトのドメイン、【置換】の入力欄にコピーするサイトのドメインを入力します。

例としてこのサイトをローカル環境に移行させる場合、検索に komaricote.com
、置換に komaricote-test.local
を入力します。ここでは「https://」の部分を省いていますが、ローカル環境で http を使用する場合はこちらも変更します。
https の部分も置換する場合はこのような形です。
【検索】 https://komaricote.com
【置換】 http://komaricote-test.local
他にも置換させたい文字列がある場合は、「追加」ボタンで入力を増やすことができます。管理者のメールアドレスが自分以外の人のものの場合、変更しておいた方が良いと思います。
エクスポート設定とダウンロード
「高度なオプション」をクリックするとエクスポートする際にエクスポートしないデータやバックアップデータのパスワード保護などを設定することができます。

スパムコメントや投稿リビジョンはローカルにコピーする必要がなければチェックを入れて除外しておきましょう。
また全てのデータをエクスポートする場合、容量オーバーでコピー先にインポートできないことがあります。特にメディアやプラグインの容量が大きくなるためこれらの項目にもチェックを入れる必要が出てきます。
エクスポート前にアップロードサイズ(容量)を確認
All in One Wp Migrationのインポート画面では「最大アップロードのファイルサイズ」が表示されます。ここのサイズをチェックしておきましょう。このサイズは環境によって異なります。
決められた最大サイズより大きいファイルはインポートすることができません。このファイルサイズより大きい場合、メディアやプラグインが多くアップロード・インストールされているが故のことがほとんどです。もしサイズオーバーしている場合はメディアやプラグインを除外して別の方法でコピーしていきしましょう。
All in One Wp Migration の年間ライセンスを購入、「最大アップロードファイルサイズを上げる方法」をクリックして上限を引き上げる方法を確認・実行することで、除外せずアップロードすることは可能です。

エクスポートする
オプションの確認ができたら「エクスポート先」をクリックします。ここではファイルを選択します。他にもさまざまなエクスポート先がありますがファイル以外は有料となり、年間のライセンスを購入する必要があります。
ファイルをクリックするとすぐにエクスポートが始まります。問題なくファイルが作成されるとダウンロードボタンが表示されるのでこちらをクリックしてダウンロードします。




ローカル環境でインポート
公開サイトからサイトデータをダウンロードしたら、今度はローカル環境のWordPressサイトに移ります。LOCALで作成したWordPressサイトの All in One Wp Migration メニューの「インポート」をクリックします。



インポート画面にて本番サイトからダウンロードしたデータをドラッグ&ドロップ、もしくは「インポート元」をクリックしてファイルを選択し、ダウンロードしたファイルを選択します。
このときにLOCALで作成したサイトとコピー元の公開サイトのPHPのバージョンが異なっていたので以下のようなエラーが表示されてしまいました。こういったシステムのバージョンが異なると正常にダウンロードできない可能性があるので、もし以下のような表示が出たらローカル環境の方を修正して揃えてからインポートするようにしましょう。


問題なければ上記のエラー文は表示されないので、「開始」ボタンをクリックします。
「サイトをインポートしました」のメッセージが出たら「完了」をクリックして公開サイトが複製できているか確認しましょう。


インポート後のローカル環境のWP情報確認
インポートが完了したらまずログインし直してみてください。インポート後はログイン情報がコピー元のサイトの情報に変更されているのでそちらを入力してログインできるかどうか確認します。
こちらも問題なくログインできたらサイトの移行は完了です。
サイトのタイトルは本番環境と間違えないように変更しておくのがおすすめです。サイトのアドレスもちゃんとローカル環境のものになっているか確認しましょう。
この時点で管理者メールアドレスを変更しようとすると設定済みのメールアドレスの承認が必要になるので、特に他の人のメールアドレスが設定されている場合は サイトのURLを置換する のときに変更しておくのがおすすめです。
All-in-one WP Migration プラグインを使用しない方法やデータベースだけを移行する方法はこちらのサイトが参考になります。
All in One Wp Migration ならローカル環境以外にもサイトの移行に使用できる
今回はLOCALを使ったローカル環境へのサイトコピーをご紹介しましたが、All in One Wp Migration を使えば別のドメインでサイトをリニューアルする場合や、テストサーバーで構築していたものを本番に移行させるといった場合にも利用できます。
ローカル環境から本番環境への移行の場合は、サーバー・ドメイン契約やサーバーにファイルを転送できる方法を準備しておけば、あとはこの記事と同様の手順で移行できます。
サイトの移行にとても便利なプラグインなので、まだ使ったことがなく、サイトの移行でお悩みの方はぜひ利用してみてください。
カテゴリー : WordPress
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